PROJECT 特集

精密金属部品の安定供給を支える、キャステムの海外生産体制

精密金属部品の調達において、コスト・品質・納期・安定供給は常に重要な課題です。特に、海外情勢や自然災害、原材料価格の変動など、サプライチェーンを取り巻く環境が変化する中で、複数の生産拠点を持つことの重要性は高まっています。

ロストワックス精密鋳造とMIM(金属粉末射出成形)による精密金属部品製造を主力とするキャステムでは、出荷量全体の約9割を海外工場で生産しています。フィリピン、タイ、コロンビアの工場とアメリカのラボに加え、2026年には、新たにベトナム工場が竣工し、稼働を開始しました。

本記事では、キャステムの海外生産体制の特徴や日本本社との連携、そして海外進出の歩みについてご紹介します。

キャステムの海外生産体制

キャステムは現在、フィリピン、タイ、コロンビア、ベトナムに生産拠点を、アメリカに技術ラボを展開しています。
その最初の海外進出は1995年に設立したフィリピン工場でした。当時、日本の中小企業が進出先としてフィリピンを選ぶことは珍しい中、現地社員の採用を進め着実にその生産規模を拡大してきました。フィリピン工場は現在、ロストワックス精密鋳造においてグループ最大規模の生産拠点となっています。
その後、2002年にはタイでMIMの生産拠点「キャステムタイランド」を設立し、2004年にはロストワックス精密鋳造の「キャステムサイアム」を設立しました。さらに、2015年にロストワックス精密鋳造のコロンビア工場を立ち上げ、2018年には金属部品の試作や3Dスキャンを担うアメリカ・カリフォルニア州の「キャステムテクノロジーラボラトリー」を開設しました。
2026年には、新たなロストワックス精密鋳造の生産拠点としてベトナム工場が竣工しました。今後予定している第2期工事では、鋳造棟と機械加工棟を新設し、完成後はグループ最大規模となる月産100万個の生産能力を備える計画です。

キャステムでは、フィリピン、タイ、コロンビア、ベトナムに生産拠点を展開し、それぞれの拠点が連携しながら精密金属部品の生産を担っています。複数国に生産拠点を持つことで、特定地域への依存を抑え、供給リスクを分散しながら、安定した供給体制の構築を進めています。

キャステムグローバルグループについてはこちら↓
https://www.castem.co.jp/about/global/
ベトナム工場の詳細はこちら↓
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000271.000035017.html

安定供給を支える生産実績

年間約5,800種類の製品を取り扱うキャステムグループでは、日本本社と海外工場が緊密に連携し国内外のお客様へ製品をお届けしています。受注は月間で約3,000件、生産数は国内・海外合わせて130万個以上です。

ロストワックス精密鋳造やMIMの特長を活かし、複雑形状の金属部品、切削加工ではコストが高くなりやすい部品、量産時の加工工数を抑えたい部品など、さまざまな精密金属部品の製造に対応しています。

海外工場での量産体制と、日本本社による技術・品質面での支援を組み合わせることで、試作・開発段階から量産まで、お客様のものづくりを支えています。

ISO認証に基づく品質管理体制

キャステムでは、日本国内と海外の各工場で統一した品質管理体制を構築し、高品質なものづくりに取り組んでいます。フィリピン工場とタイの3工場では2015年にISO9001認証を取得し、タイの3工場では同年にISO14001認証を取得しています。さらに、MIMの生産拠点である「キャステムタイランド第2工場」で、日本国内のMIM工場と同様に、医療機器の製造に対応した品質マネジメントシステムの国際規格であるISO13485認証を受けています。

これらの認証取得により、海外工場においても国際規格に基づいた品質管理体制を整えています。特に、品質要求の高い精密金属部品においては、国内外の拠点が情報を共有し、安定したものづくりにつなげています。

日本本社と海外工場が連携する品質・生産管理体制

日本にあるキャステム本社工場の役割は「リサーチ&ディベロップメント(R&D)」。開発段階の製品や難易度が高い製品の製造が中心であり、新たな材質や製法への挑戦も続けています。

また、海外工場で生産した製品の検査を行い、国内のお客様への発送業務を担っています。海外生産でありながら、日本本社が品質・生産管理面で各拠点と連携することで、安定した品質と納期対応を目指しています。
生産管理部門では、現地工場と綿密に連携しながら、国内と海外拠点に生産指示を出し、出荷までのスケジュール管理を行っています。
品質保証部門では、検査の方法や図面・製造条件の変更点を海外拠点と情報共有し、お客様の要望に応じたスムーズな生産にあたっています。また、海外工場と本社工場の担当者会議を定期的に開催。万が一不良品が発生した場合も、原因究明や情報収集を迅速に行い、再発防止対策を講じます。

海外工場の生産力と日本本社の技術・品質管理との融合が、キャステムのグローバル生産体制の最大の特徴です。

技術交流・研修による品質向上

キャステム本社には、フィリピンやタイ工場の研修生が定期的に来日し、数か月の研修を受けています。 金型製作や鋳造、品質管理、加工などの各工程について実務を通じて学びを深め、各拠点にノウハウを持ち帰っています。こうした技術交流により、海外工場においてもキャステムのものづくりの考え方や品質基準を共有しています。

また、フィリピン、タイ工場へキャステム本社社員を派遣し、業務上の課題を抽出・解決する「ブリッジ人材育成研修」も実施。各海外工場の社員と同じ目線で課題を共有し改善策を探ることで、品質向上や安定したサプライチェーンの構築を目指しています。

精密金属部品の量産・海外生産のご相談について

キャステムは、約30年間にわたる海外での生産実績と、日本本社を含むグローバルな拠点網を活かしながら、国内外のお客様のものづくりを支える素形材企業であり続けます。

精密金属部品の量産、海外生産への切り替え、調達リスクの分散、コスト・工数の見直しなどをご検討の際は、下記お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。