PROJECT 特集

コマ、ミニ四駆、ロボットから旧車のレストアまで!キャステムのTT(つくりたいものをつくる)クラブ

キャステムには、会社が保有する機械を使って作りたいものを造る部活動「TTクラブ」があり、ものづくりが大好きな部員たちが所属を越えて活動しています。

ロストワックス精密鋳造・MIM(金属粉末射出成形)製品づくりに使う工作機械のほか、多種多様な3Ⅾプリンター、工具で自由にものづくりをし、作ったコマやミニ四駆、ロボットで各種大会にも出場しています。

TTクラブの活動の一部をご紹介します。

万博会場をざわつかせたミニ四駆!?

「アレはミニ四駆なのか!?」。7月に開催された「製造業対抗ミニ四駆大会 ワールドカップ in 大阪・関西万博」に彗星のごとく現れた四足歩行の「最終変態サカバンバスピス」。TTクラブ部員で、基盤技術開発課の山本さんと池田さんが製作し、ミニ四駆の常識を覆す動きと形状、そして虚無感あふれる表情で会場の注目を総なめにしました。

結果は見事「パフォーマンス賞」を受賞。製作・操縦を担った山本さんにお話を聞きました。
―常識を覆すこのフォルム、狙いはなんでしょうか。

受け狙いです(真顔)。大会では結構、皆さんミニ四駆に自社商品を載せてPRされているんです。キャステムで取り組んでいるAM技術を使ったデジタルキャストなどをPRできればいいなと思い、FDM方式の3Ⅾプリンターと金属3Ⅾプリンターで製作しました。
第1回大会で池田くんが作り、ドレスアップ賞を受賞した古生物「サカバンバスピス」のデザインを踏襲し、今回は四足歩行のミニ四駆を作りました。
―こだわった部分を教えてください。

シャーシ自体が曲がって操舵するという機構から着想を得て、ミニ四駆のシャーシ自体を2節が交差した4節リンクにしました。そのシャーシの中をZ字型に3本の軸が通っています。球状歯車で回転運動を軸同士に伝達し、足を動かしており、シャーシの関節の角度が変わってもスムーズに足が動きます。体と一緒にしっぽも曲がるようになっていてかわいいんですよ。
四足歩行を逆さまにひっくり返すと、足を根本から動かしていた車輪がコースと接地して、 通常の四輪駆動で走行します。
―衝撃的な動きですね。

本当はもっと頭の形を魚っぽくする予定だったのですが、逆さに走れるようにするためフラットな形状に改良しました。ミニ四駆大会では敗者復活戦で「逆(さか)バンバスピス」を披露したところ、結構盛り上がりました。狙い通りです!

※出場時の動画はこちらから(1回戦 :1時間46分ごろ、敗者復活戦:2時間43分ごろ)
https://live.nicovideo.jp/watch/lv348048195

※日経クロステック様に掲載いただきました!
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nmc/18/00011/00319/

―製作期間はどれくらいですか。

2年ほど前から構想を温め、万博大会に向け半年で製作しました。自分で一から作る材料費や大会への遠征費を出すと結構な負担になりますが、TTクラブの活動なので会社から支給があり、ありがたかったです。月500円の部費で、様々な機械を使って新しいものが作れるのが魅力です。

TTクラブ部長の森田さんに聞く

ー森田さんの入部のきっかけは何でしたか。

入部というより、実は入社のきっかけがTTクラブでした。学生時代からコマ大戦に出場していたので、クラブ活動でコマづくりができる会社がいいなあと思って。クラブには現在、さまざまな部署から20人が参加し、3Dプリンタや旋盤、マシニングセンタなど、会社の機械を使って自由に創作をしています。モノづくり企業でも、こういった活動ができる会社はなかなかないのではないでしょうか。
―最近の活動ではどんなことをされましたか。

僕個人の話をすると、コマ大戦用に、会社の非公認キャラクター「チューテム」を刻印したコマを作りました。コマは高さ2cm、幅2cmで、アルミと真鍮製。旋盤で加工しました。コマ大戦では、昨年の「ものづくりフェスタ2024四国能開大場所」で優勝を収めました。チューテムコマで挑んだ今年のコマ大戦大田区特別場所では敗退してしまったので、今後の大会で優勝できるよう頑張っていきたいです!

旧車(HONDAビート)のレストア

その他の部員の活動をご紹介します。工機開発課長の三浦さんは、エンジンの分解、整備、ブラスト処理や部分塗装、エンジンの機械加工、メーターの付け替えなど、2020年から一歩ずつ、HONDAビートのレストアを続けています。古くなった部品を新品同様にピカピカに磨き上げている様子は圧巻です!

部活動で機械式時計作り→事業化へ

初代サカバンバスピスの生みの親である池田さんは、日本で3人しかいない独立時計師を目指しています。高校生の頃に「時計を作らせてほしい」とキャステムの門をたたき、TTクラブの部員に。最初はクラブ活動で機械式時計の製作を始めましたが、その卓越した技術から、現在は会社の業務として時計作りに取り組んでいます。「時計作りはジュエリー作りと通じるところがある」と、指輪の創作もしています。

3Ⅾプリンター製スピーカー、フィギュア、ロボットも

他にも3Dプリンターでのスピーカー製作や、チューテムのフィギュア作り、ロボット作りなど多彩な活動を展開しています。社として活動を後押しすることで、自由な発想で新たな作品が生まれ続けています。
今年の新入社員も早速入部したTTクラブ。今後の活動にぜひご注目ください!

※YouTube「TTクラブチャンネル」にて、過去の活動も紹介しています。
TTクラブチャンネル